16、神経系(麻痺 )

定義

特定の運動、感覚の調整を行なう能力

情報

  1. 麻痺などで自力での意図的な身体運動や四肢運動の障害
  2. 環境の中で目的にあった動きができない
  3. 関節可動域(ROM)の制限
  4. 筋緊張低下あるいは筋固縮
  5. 感覚の鈍麻・亢進
  6. 平衡感覚低下
  7. 歩行や移動の障害
  8. 骨折
  9. 振戦、痙攣
  10. 自律神経症状(起立性低血圧、便秘、排尿障害等)
  11. 半側無視
  12. ADLレベル

Outcome

理解・関心

  1. 適切な運動あるいは必要な日常生活管理に関心がない
  2. 適切な運動や日常生活管理についていくつかは説明が可能である
  3. 適切な運動や日常生活管理について知っているが効果は説明できない
  4. 運動プログラムや日常生活管理とその効果についていくつか説明なさる
  5. 運動プログラムや日常生活管理とその効果について説明できる

行動

  1. 運動プログラムへの参加や補助具の使用は好まれない(転倒リスクがある動き)
  2. 運動プログラムや補助具を試してみようとなさる(転倒リスクがある動き)
  3. 運動プログラム参加や補助具使用を時々実施されている
  4. 運動プログラム参加や補助具使用をほぼ適切に使用なさる
  5. 運動プログラムに参加され補助具を適切に使用している

介入

観察

  1. ご本人、ご家族の受け止め、お気持ちを伺います
  2. 関節可動域(ROM)、歩行状態
  3. MMT
  4. 神経症状(振戦、固縮、不随意運動、麻痺、構音障害、嚥下障害、半側無視)
  5. 服薬状況と副作用
  6. 呼吸・循環状態
  7. 自律神経症状(便秘、排尿障害)
  8. 精神症状(不安、幻覚、妄想等)
  9. 視覚障害
  10. 感染徴候・感染予防行動
  11. 皮膚(褥瘡)
  12. コミュニケーションの状況
  13. 日常生活の状況・疲労感
    • ADL:歩く、車いす操作、食事、着替え、整容、トイレ動作、入浴、階段昇降
    • IADL(手段的日常生活動作):買い物、電話対応、食事の用意、洗濯、整理整頓、交通機関利用、金銭管理
  14. 不安・ストレスや精神症状

ケアと治療処置

  1. 日常生活の過ごし方の話し合いと支援(介護者とも)をいたします
  2. ベッドの高さ、ベッド柵、手すり、履物、移動動作環境(段差解消)、補助具、コール等の環境整備をします
  3. 便秘対策をしましょう(毎朝の定時の排便、適切な水分・食事摂取、シンバイオティックス、下剤、摘便、浣腸)
  4. 感染リスク対策をしましょう(口腔ケア、陰部洗浄、保清、爪切り)
  5. 必要時呼吸リハビリテーションをしましょう(呼吸しやすい体位の選択、気道クリアランス、必要時換気補助、モニタ装着)
  6. 必要時嚥下障害ケアをします(栄養参照)
  7. 必要時構音障害リハビリテーションをします(コミュニケーション参照)
  8. 装具装着をお手伝いします:上下肢装具、肩装具
  9. 意思疎通がはかれるように支援します
  10. お気持ちを聴かせていただきます
  11. 一緒に散歩などして気分転換と運動をしましょう

教育

  1. 内服管理(介護者にも)日誌の利用
  2. 症状の記録をすすめる
  3. 転倒防止策
  4. リハビリテーションの必要性と方法
  5. 言語訓練の必要性、方法やコミュニケーション方法
  6. 便秘対策
  7. 感染予防
  8. 日常生活動作方法の提案:工夫や自助具、装具の活用、可能な限り自分でできることを行なう
  9. 介護者への介護方法の説明

調整

  1. 医師等からの十分な説明と協働意思決定
  2. 運動機器、医療機器調整
  3. PT/OT/STによるケアと連携
  4. サービスのスケジュール調整
  5. サービス間調整
  6. サポートシステム(デイケア・コミュニティセンター・職場・近隣)
  7. フィットネスセンター

課題名の例

  • 不使用性シンドロームリスク状態
  • 半側無視
  • 運動プログラムを実施し始めている
  • 昼間の座位が維持できている
  • 自力で移動ができる
  • 自力で歩行ができる