13、呼吸

定義

浄化された気道から身体への空気の吸入と呼出により酸素化される

情報

  1. 呼吸数、異常な呼吸パターン
  2. 肺雑音
  3. 多量な痰や喀出困難
  4. チアノーゼ
  5. 長く続く咳
  6. 酸素飽和度90以下(酸素解離曲線で酸素分圧60未満)
  7. ボルグ指数
  8. 適切な吸入や服薬管理
  9. 基準値内の呼吸機能
  10. 呼吸リハビリテーションの実施状況

Outcome

理解・関心

  1. 自身の呼吸機能や換気方法あるいは酸素化の状態について関心を示されない
  2. 自身の呼吸機能や換気方法あるいは酸素化について学ぼうとなさる
  3. 自身呼吸運動実施や換気方法あるいは酸素化(HOT含む)についていくつかの手順を述べている
  4. 自身の呼吸運動実施や換気方法あるいは酸素化(HOT含む)について通常の手順を述べている
  5. 自身の呼吸運動実施や換気方法あるいは酸素化(HOT含む)や自分の生活を快適にする方法を述べることができる

行動・技能

  1. 呼吸運動実施や吸入器や酸素の使用を全くなさらない
  2. 呼吸運動実施や吸入器や酸素の使用方法をまれになさっている
  3. 処方された吸入や酸素療法、運動療法をときどき実施されている
  4. 処方された吸入や酸素療法、運動療法をほとんど実施されている
  5. 推奨されている通りに一貫して吸入や酸素療法、運動療法を実施されている

介入

観察

  1. 呼吸に関する思いや考えを伺います(感情、動作時の呼吸苦、エネルギーを消耗しない呼吸法実施状況等)
  2. 頻呼吸あるいは徐呼吸
  3. 呼吸音
  4. 喀痰の色や量、性状
  5. チアノーゼ
  6. 酸素飽和度(HOT時や生活動作との関連)
  7. ピークフローメータ、スパイロメータの値の評価
  8. 疾患/感染の客観的情報
  9. 服薬(吸入)状況と副作用
  10. HOT使用状況
  11. ケアの受け入れ状況
  12. 人工呼吸器作動状況:モード、設定、1回換気量、呼吸回数、PIP、分時換気量、リーク、カフ圧(20-30cmH2O)、アラーム設定(気道内圧、分時換気量、IE比、電気系統)
  13. 気管カニューレ挿入部の発赤、出血、皮下気腫、肉芽形成、チューブの逸脱、閉塞、カフ漏れ、カフ圧、抜去
  14. 酸素ボンベ残量
  15. 検査データ:呼吸機能検査、血液ガス、Hb値、WBC

ケアと治療処置

  1. 気切部のガーゼ交換をします
  2. 医療機器の管理をします:HOTの管理(火器厳禁、酸素濃縮器とトイレ・洗面所・浴室まで届く延長チューブ配線、接続☑、緊急時対応の確認、酸素ボンベ残量チェック)
  3. 呼吸リハビリテーションを実施します(口すぼめ呼吸、息をはきながら階段を昇る、首と肩のストレッチング、胸・上肢のストレッチング、下肢筋トレ歩行等)
  4. 酸素吸入をします
  5. 在宅人工呼吸療法の管理をします:OP-12確認、気管カニューレ交換(1-2回/月 医師)時は気管内・カフ上部分泌物吸引後カフエアを抜き、気切部観察と消毒後カニューレ挿入、カフ空気注入、固定)
  6. 経鼻吸引、経口吸引をします
  7. 気管内吸引をします(挿入時に陰圧をかけない→挿入したら陰圧をかけ引きながら吸引する:吸引圧は300mmHgまで)
  8. 体位ドレナージ・咳介助をします(座位をとる→腹式呼吸→3-5秒息をとめてから口からできるだけ多くの息を吐きだす→息を2回吸ってとめる→ゆっくり吐き出し力んで息を吐きだす)
  9. 肺理学療法、カフアシストを実施します
  10. 気道の加湿:ネブライザー、MDI、口腔鼻粘膜の保湿をします
  11. 喘息時のケアをします
  12. 過換気時のケアをします
  13. 口腔ケア(ブラッシングと洗浄、スワブ使用、保湿剤)を実施したりお手伝いします

教育

  1. 息切れを軽くするための日常生活動作(TP-3参照)
  2. バイタルサイン自己管理:測定方法と記録と対処方法
  3. パニック対処法:コントロールを練習しておく、座位時はやや前傾をとり手でか身体を支え呼吸困難が収まるまで口すぼめ呼吸、立位時は壁などにもたれ身体をささえ口すぼめまたは腹式呼吸をゆっくり続ける。
  4. 呼吸器系の機能と構造
  5. 疾患の特徴
  6. 酸素療法
  7. ネブライザー吸入方法
  8. 呼吸訓練
  9. 気管カニューレからの吸引手技、カフエア確認方法、固定方法
  10. 鼻腔からの吸引手技
  11. 口腔からの吸引手技
  12. 医療機器の使用法(HOT、酸素吸入、人工呼吸器、パルスオキシメータ、スパイロメータ、吸入器、ネブライザー、バッグバルブマスク等)
  13. 在宅酸素療法教育プログラム:各種手順、トラブル対処、物品管理、酸素ボンベ取扱い、酸素供給機取扱い、加湿器取扱い、外出時の管理方法、感染予防、呼吸法、体調管理、日常生活行動、便秘予防、家族への指導
  14. 在宅人工呼吸療法教育プログラム:各種手順、トラブル対処、物品kなり、加湿器取扱い、回路内の水滴除去不法、気管カニューレのガーゼ交換方法、吸引手技、呼吸器動作状態の確認、呼吸器設定項目の確認、呼気介助、体位ドレナージ、家族指導
  15. 在宅排痰補助装置管理の指導:各種手順、トラ物対応、感染管理、装置の取り扱い、交換管理、物品請求方法、家族指導
  16. 高たんぱく食、少量ずつ頻回の栄養法、適切なONS
  17. 薬物管理
  18. 異常症状と対応方法
  19. 感染予防(マスク、手洗い、衛生材料破棄、他者との距離、清潔な環境、切開部の保護、ワクチン)

調整

  1. サービス間調整(医療機器業者、訪問薬剤師、訪問歯科、訪問入浴、デイケア含む)
  2. PTによるケア
  3. サポートグループ(家族、友人、ピアグループ、職場、コミュニティ、ボランティア、他)
  4. 配食サービス、会食の場
  5. 衛生材料(気切部処置物品)

課題名の例

  • 効果的でない気道浄化
  • 効果的でないガス交換
  • 自発換気障害
  • 効果的な気道浄化
  • 十分な酸素化
  • 呼吸に関するセルフケアの実施