21、メンタルヘルス

定義

生活活動に順応し、他者と関わり、活動に参加することができる精神的/感情的能力が整っていること

情報

  1. 生活に対する本人(家族)の意向や希望
  2. 悲しみ/失望/自尊心の低下
  3. 不安/漠然とした恐れ/緊張
  4. 抑うつや興味消失:この1か月間、気分が沈んだり憂鬱な気持ち(や、または、興味がわかない感じ)になったことがよくあったか?
  5. 不眠
  6. 疲労/全身倦怠感
  7. 食欲低下
  8. 活動/セルフケアに関心がない/参加しない
  9. 散漫な注意/焦点に縮小する
  10. 感情の起伏が乏しく平坦
  11. いらいら/興奮状態/攻撃的
  12. ストレス対処が困難
  13. 怒りのコントロールが困難
  14. ひきこもり
  15. 幻覚/幻聴
  16. 自傷行為
  17. 自殺企図
  18. 不適切な服薬行動
  19. アルコールの過剰摂取
  20. 適切な服薬行動*
  21. 社会参加ができている*
  22. セルフケアへの努力*

Outcome

理解・関心

  1. 症状が精神障害の徴候であることに気付かれていない
  2. 症状が精神障害の徴候であることに気付かれているが、治療法や徴候の影響には関心が示されない
  3. 症状について気付いており治療法や生活への影響についての基本的な情報を理解されている
  4. 症状が精神障害によるものであること、生活への影響、また治療法の選択肢を理解されている
  5. 症状が精神障害の徴候であることや症状の治療や生活スタイルの選択肢を理解されている

行動・技能

  1. 治療や看護を受けることが難しい
  2. 重症化した時や入院中のみ治療を受けておられる
  3. 治療を継続して受けず時々休止される
  4. たいてい、処方通り薬物療法を受けることができている
  5. 定期的に医師や看護師に会い、処方通りに服用し、セルフケアの継続ができている

介入

観察

  1. 身体面の症状の有無(疲労、倦怠感、不眠、食欲低下など)
  2. 心理面の症状の有無(抑うつ、不安、緊張、怒り、幻聴など)
  3. 精神症状の有無(幻覚、妄想、混迷、拒絶、カタレプシー等)
  4. 生活・行動面の変化の有無(自殺企図、自傷行為、ひきこもりなど)
  5. コーピングスキルを持っているか
  6. 今一番心配なことは何か?
  7. 自分が課題だと思っていることは何か?
  8. 自分が強みや資源、支えと思っていることはなにか?
  9. 自殺念慮(なぜ死にたいくらい辛いのか?持続期間や憎悪時間・タイミング、精神科受診暦、実際の企図、計画性、保護因子)
  10. 処方された薬剤を服用できるか、有害作用
  11. 休息や睡眠の状態
  12. ソーシャルサポートの有無

ケアと治療処置

  1. よくお話しを聴かせていただきます
  2. 安心と情報の提供をいたします:認知機能に併せて理解しやすい言葉での語り掛け
  3. お話しをさえぎらず気づきができるようよく聴きます(いきさつや期待・聞く・努力や苦労を中心としたリフレクティング・しめくくり)
  4. リラクセーションをいたします
  5. 対処行動がとれるよう支援します
  6. 服薬調整と管理をお手伝いします
  7. 行動が変化するよう支援します:関係を結ぶ、動機づけを高める、社会生活上に必要な知識・スキルの理解、課題の理解、目標設定と計画、活動記録表の作成等
  8. 自殺防止ケアをします:安全確保、所持品確認、付き添い確保
  9. 自傷行為防止ケアをします:所持品確認、付き添いの確保
  10. リフレッシュケアをします:散歩の支援、レクリエーションの支援、趣味活動の支援
  11. アサーショントレーニング(自分の気持ちや考えや欲求を率直に状況にあった適切な方法で表現するためのアプローチ)

教育

  1. 疾患や症状の理解と受け入れへの援助
  2. セルフケア:自らのストレスに気付き、これに対処するための知識・方法(目標設定とスケジューリング)を身につける
  3. 生活リズムの指導:規則正しい生活リズムに関する助言をします
  4. 対人スキルの指導:他者との適切な対応についての助言をします
  5. 家事の指導:一般的な家事についての助言をします
  6. 金銭管理の指導:金銭を自己管理するための助言をします
  7. 買い物の指導:必要な物を適切に店で購入する方法の助言をします
  8. 身だしなみの指導:場の目的や季節に合った服装や他人を不快にさせないような身だしなみについて助言します
  9. 心理教育(情報提供(回復者からおメッセージ含)・問題解決法(問題点を挙げる・目標設定・問題整理・対処するアイディア列挙とメリットデメリット・アイディア選択・実行・評価)
  10. 自分に合ったリラクゼーションの方法を見つける
  11. 服薬の必要性と効果、継続することの理解

調整

  1. 行政
    • 地域にある相談窓口
    • 医療費の助成や生活支援
    • 就労支援
  2. サポートグループ(家族、友人、ピアサポート、グループホームなど)
  3. 医師や多職種の面談時の同席と確認
  4. 心理士、カウンセラーによるカウンセリング
  5. 家族への支援
  6. 医療機関との連携

参考

うつ病看護ガイドライン

課題名の例

  • 自己同一性の混乱
  • 不安
  • 睡眠パターン混乱
  • 自己健康管理(摂食、入浴、更衣、排泄)不足
  • 社会的孤立
  • 知覚障害・思考障害
  • 対自己暴力あるいは対他者暴力のリスク
  • 症状や服薬セルフケア不足
  • 自己健康管理への努力
  • 社会参加への努力