12、活動・運動(転倒転落含)

定義

日常生活における身体運動・ADL/IADLの状態や質

情報

  1. 寝たきりがちの生活スタイル
  2. 座りがちの生活スタイル
  3. 十分でない運動
  4. 自力での意図的な身体運動の障害   
  5. 環境の中で目的にあった動きができない
  6. 関節可動域(ROM)の制限
  7. 筋緊張低下
  8. 感覚の鈍麻・亢進(しびれや麻痺)
  9. 平衡感覚低下(ふらつき)
  10. 歩行や移動の障害
  11. 骨折・変形
  12. 本人の身体活動性への意識と行動
  13. 活動時の痛み
  14. 身体活動性を回復しつつある

Outcome

理解・関心

  1. 活動・運動をすることに関心や意欲がない
  2. 活動・運動は必要だと気づかれているが目的が明確にならない
  3. 活動・運動を自分の健康に関連づけて理解されている
  4. 活動・運動は自分の健康を促進し改善することを理解されている
  5. 自分がどのような活動・運動をすることが必要か目的と利点・工夫を説明することができる

行動・技能

  1. 活動・運動はなさらない(転倒転落予防行動をとらない)
  2. 活動・運動(転倒転落予防行動)をときどき行われる
  3. 活動・運動に参加されるが不十分な状態である(転倒転落予防行動が不十分)
  4. 活動・運動(転倒転落予防行動)をほとんど自立的に実施されている
  5. 日常的に活動・運動(転倒転落予防行動)を自立的に実施されている

介入

観察

  1. 活動・運動に対する本人の思いや考えを伺います
  2. 活動・運動状態
  3. ADL:歩く、車いす操作、食事、着替え、整容、トイレ動作、入浴、階段昇降
  4. IADL(手段的日常生活動作):買い物、電話対応、食事の用意、洗濯、整理整頓、交通機関利用、金銭管理
  5. 一日の運動量
  6. 自発性(自分での運動量)
  7. 関節可動域(ROM)(関節の動く範囲)
  8. MMT(徒手筋力テストの評価)
  9. 歩行姿勢と移動方法(ふらつきがあるか)
  10. (転倒スクリーニング)転倒の原因を考えます:過去の転倒暦、最近の転倒、歩行不良やバランス異常、環境、履物や衣服
  11. 歩行(転倒)に対する不安や恐怖がないか
  12. 適切な推奨された姿勢か
  13. 補助具の使用状況

ケアと治療処置

  1. 他動運動(関節が固まらないように介助者が身体を動かします)(関節拘縮予防)
  2. ・ゆっくりと運動を開始し、不快感を感じている様子があったら止める
  3. ・伸びているのを感じるまで関節をゆっくりと滑らかに動かす
  4. 自動運動(自分で動く運動)をおこない筋力を強化します
  5. ・具体的には下肢伸展挙上運動、大腿四頭筋運動、膝伸展運動
  6. 歩行の機能を維持します:歩行訓練、下肢筋力強化のための運動(座位あるいは立位での足踏みや踵あげ・下肢運動・階段昇降訓練など)
  7. バランス訓練をします(つかまっての片足立ち、トランポリン運動など)
  8. 半座位の保持をします
  9. 座位がとれるように支援します(足底を床につける、背中を起こす、上肢で身体を支える)
  10. 起居動作(姿勢を変える、座る、臥位になる、腹臥位、寝返り)を支援します
  11. 散歩の際に同行します
  12. 装具装着をお手伝いします:体幹装具、頸椎装具、上下肢装具等
  13. 移動(歩行・車椅子使用など)を支援し筋力・活動力を維持できるようにします
  14. 転倒を防止するケアをします:環境整備、付き添い、離床通知モニター観察等

教育

  1. 運動習慣の見直し
  2. 運動の必要性の説明と動機付け(一日の回数などの目標立てと提示、これならできるという実感を持てるように)
  3. 生活動作や歩行・外出の勧め
  4. 適切な運動種類/スケジュール
  5. 転倒を起こしにくい生活環境の整備を一緒に検討します
  6. 転倒した場合の連絡方法を家族を含め検討します
  7. 適切な道具の選択

調整

  1. 運動機器
  2. 適切なベッドや椅子
  3. 杖や歩行器、車いすの調整
  4. PT/OTによるケアと連携
  5. サービスのスケジュール調整
  6. サービス間調整
  7. サポートシステム(デイケア・リハビリ・職場・近隣)
  8. フィットネスセンター

参考

リハビリテーションガイドライン

課題名の例

  • 身体活動性に障害がある
  • 転倒転落の可能性がある
  • 身体活動性の維持・拡大ができている