5、栄養・嚥下

定義

エネルギーを供給、維持するために、食物と飲み物を選択し、摂取すること

情報

  1. 肥満 成人BMI25以上、生後3-5か月カウプ指数22以上
  2. 痩せ 成人BMI18.5以下、体重減少率5%/M、生後3-5か月カウプ指数13未満
  3. GLIM基準 低栄養:MUST or MNA-SFMでスクリーニング
  4. 1日の摂取カロリーが満たない、水分や食物摂取が満たない
  5. 1日の摂取カロリーが超過している、水分摂取量が超過している
  6. 嚥下ができない
  7. むせの有無
  8. バランスの悪い食事
  9. 食物の入手ができない
  10. 血糖異常
  11. 下腿周囲長 男性≦30cm 女性≦29cm
  12. 栄養に関する知識内容
  13. 食事療法内容の知識と実行度
  14. 食事が家族や周囲の人々との相互作用の場になっているか

Outcome

理解・関心

  1. 自分の栄養計画の必要性に関心や意欲をもてていない
  2. 自分の栄養計画への関心が少しでてきた
  3. 自分の栄養計画に必要な知識を理解され始め意欲がでてきている
  4. 自分の栄養計画や血糖値との関係を理解されようとしている(血糖値との関係を理解しようとしている)
  5. 自分の栄養計画の根拠を理解されている(血糖値との関係を理解している)

行動

  1. 提案された栄養計画を全く実施されない(経口摂取をすることが全くできない)
  2. 誰かが準備した時だけ提案された栄養計画を遂行なさる(看護師がいるときは経口摂取が可能である)
  3. 時折栄養管理計画に沿って食事をすることができる(ほとんど経口摂取をしている)
  4. 家では栄養管理の目標に沿えるが外食時はできない(家では経口摂取が可能である
  5. 提案された栄養管理の目標に沿って食事をおいしく食べることができる(経口摂取がいつでも可能である)

介入

観察

  1. ご本人ご家族からの食欲や摂取状況、外観や痩せた、太ったと感じる状況の思いや考えを伺います
  2. サルコペニアの有無:全身の筋量減少(下腿周囲長)と筋力低下(握力男性 女性)(原因=加齢+低活動、低栄養、疾患)
  3. 食事摂取状況(楽しさ、嚥下状態、むせの有無、食事内容、食事準備状況)
  4. 主観的包括的評価(SGA:体重減少経過、食事摂取量変化、消化器症状、ADL、皮下脂肪減少、浮腫、腹水)と客観的評価(ODA)
  5. 摂食嚥下機能の程度(VF、反復唾液嚥下テスト(30秒で口頭挙上が2回以下は要注意)、改訂水飲みテスト(3mLの冷水でのむせ確認))
  6. 口腔内の観察(口腔ケアアセスメントシート参照)
  7. 義歯の状態
  8. 胃瘻の場合のカテーテルの詰まり、抜去、皮膚の発赤・びらん
  9. 経鼻経管栄養の場合の発熱、下痢、便秘、嘔吐、チューブの詰まり、鼻翼の発赤や潰瘍、自己抜去
  10. HPNのCVポートの観察と起こり得るトラブル(閉塞・逆流・抜去・感染症)と輸液ポンプ作動状態
  11. ケア内容の適切さ
  12. 身長と体重、水分バランス、血糖値の推移
  13. バイタルサインズ
  14. KTバランスチャートの推移
  15. 栄養士によるケアの受け入れ状況
  16. 検査データ:Alb,Hb,Na,K,Cl

ケアと治療処置

  1. 口腔ケアをします:ブラッシング・十分な水を用いた口腔内洗浄
  2. 必要時食品や栄養剤の調整をします(日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類、栄養剤の種類参照)
  3. 摂食・嚥下リハビリテーション(経口摂取促進ケア)を実施します
    • 間接訓練法:姿勢保持・嚥下体操(深呼吸、首回旋運動、肩運動、頬や舌の運動、パタカラ体操)
    • 口腔ケア
    • 直接訓練法:ゼリー・トロミ剤の使用
  4. チューブ管理(HPN・NGチューブ、胃瘻、腸瘻、腹腔ドレーン)をします
  5. 医師の指示で在宅皮下輸液を実施します
  6. 血糖測定を実施するかお手伝いします

教育

  1. 食生活の変更
  2. 活動量の増加
  3. 食事の助けになる環境:食事のためのポジショニング、誤嚥防止ケア、飲水介助
  4. 補助食品
  5. 腸の栄養:シンバイオティクス(水溶性食物繊維:果物、PHGG)
  6. 水分バランス
  7. 食事を写真にとっていただく
  8. 介助スプーンや補助具使用
  9. 嚥下訓練
  10. 嚥下機能に応じた食形態の選択と摂取
  11. 在宅胃瘻管理の指導:胃瘻管理方法、トラブル対処、感染管理、皮膚管理、注入方法管理、固定管理、物品管理、家族指導
  12. 在宅腸瘻管理の指導:トラブル最初、物品管理、感染管理、皮膚管理、注入方法管理、家族指導
  13. 在宅経鼻経口経管栄養管理の指導:トラブル対処、感染管理、交換管理、挿入部皮膚管理、注入方法管理、物品管理、家族指導
  14. 在宅中心静脈管理方法の指導:各種手順、トラブル対処、ロックの手技、感染予防方法、ライン接続手技、点滴速度の調整手技、中心静脈ポートの抜針手技、家族指導
  15. 在宅輸液管理教育指導:点滴ポンプの使用法、静脈内留置針観察方法
  16. 在宅持続皮下注射管理の指導:ポンプ使用法、各種手順、トラブル対処、感染管理
  17. 在宅自己注射の指導(インシュリン):各種手技、トラブル対処、物品管理、感染管理、家族指導
  18. 糖尿病管理の指導:血糖自己測定、低血糖時の対処、食事療法、運動療法、薬物療法、感染予防、血糖コントロール

調整

  1. サービス間調整
  2. 配食サービス
  3. 血糖測定器具
  4. 福祉器具
  5. 薬剤調整、薬剤師との調整
  6. 栄養士による評価とサービス調整
  7. サポートシステム
  8. 子ども食堂
  9. 歯科医師、歯科衛生士の評価と介入
  10. STの評価と介入

参考

  • 国立障害者リハビリテーションセンター:嚥下障害リハビリテーションマニュアル
  • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 嚥下調整食分類

課題名の例

  • 必要量の栄養を摂取できていない
  • 血糖が不安定である
  • 体液量・電解質の平衡異常がある
  • 肥満がある
  • 食事療法に適切に対処している
  • 楽しく食事ができている
  • 水分摂取量の必要性を理解し摂取している